伏古レディースクリニック、助産師Iです。
お盆になると想う祖母こと。
大好きな祖母が亡くなってから12年経った。
農家で生まれ育った祖母は戦後、育てた野菜を行商して4人の子どもを育てた。
祖母が20代の時は、朝の暗いうちから1人で荷車を引いて毎日数十キロ歩いたそうだ。
私がどうしてそんなに頑張れたのかを尋ねると、生きていくためだと笑っていた。
今時期になると祖母は朝の4時から畑作業をしていて、私が起きるころには収穫された野菜が食卓を彩っていた。
トマト、きゅうり、ささぎ、ズッキーニ、なす、ピーマン、とうもろこし等、、どれもスーパーに売っている物とは比べ物にならないほど美味しかった。
甘くて、大きくて、新鮮で。
祖母の育てた野菜は格別で、中でもトマトは物凄く甘かった。
祖母と2人で暮らした10年は、私の人生で最大の癒しだった。

祖母が亡くなってから私も家庭菜園を初めた。
土に触れて、祖母の苦労がわかった。
草むしりくらい手伝えば良かったと後悔している。
もっと土づくりを聞いておけばよかった。
祖母がしてくれたように、私もいつか自分の孫に、甘く育てたトマトを食べてもらうのが夢だ。
祖母のように、私もまた目一杯、孫を可愛がろうと心に決めている。(まだ孫はいない)

『苗は土に植えたらそれなりに成長するけど、途中、病気になったり、茎が折れたり、変な方向に伸びたりするからね。
ちゃんと脇芽をとって、肥料をあげて、手をかけてあげるんだよ。
そしたら、それに応えて立派に育つからね。』
祖母が残した言葉の一つひとつが私の人生に息づいている。
時に子育てを応援してもらっている気持ちにすらなる。
今年のお盆も手を合わせて想います。
お婆ちゃん、そちらではお元気ですか?
お陰様で私も子どもたちも元気に過ごしています。
トマトの味は今年もまだまだです。
