多職種で連携したリハビリテーション
当院には、「脳卒中認定看護師」、「認定理学療法士」が在籍しており、専門性の高いリハビリテーションを提供しています。また、NST(栄養サポートチーム)に所属するリハビリスタッフ等が栄養面の支援も行います。さらに、各病棟に配属の社会福祉士(相談員)が、ひとりひとりの退院後の生活を見据え、住み慣れた地域で安心した生活が送れるよう様々なアドバイスを行っています。
病棟でのリハビリテーション
■回復期病棟
東苗穂病院回復期リハビリテーション病棟は41床で運用されており、急性期治療を終えられた方々を早期に受け入れています。脳神経外科・整形外科・神経内科・内科・呼吸器科などの医師の協力を得て、安心してリハビリに専念できる体制が整っています。当病棟は365日、日曜・祝日も休みなく充実したリハビリを提供し、高い社会復帰・自宅復帰率を誇っています。医師、看護師、リハビリスタッフ、相談員、栄養士、薬剤師といった多職種が連携して、入棟早期にカンファレンスを開催し、適切な評価・目標・計画を設定しています。その後、管理者を中心とした定期的な病棟回診により、リハビリがスムーズに進んでいるかを確認し、ご本人の想いを直接汲み取るよう心掛けています。
多職種に加え、ご本人やご家族を交えたリハビリカンファレンスは、原則全員が月1回以上開催し、リハビリの進行状況や目標の再確認・検討を行うことで、少しでも安心してリハビリに取り組めるよう、スムーズな退院支援ができるよう努めています。
(札幌市全域での「札幌市脳卒中地域連携パスネット協議会」、「札幌市大腿骨近位部骨折地域連携パスネット協議会」に参加しており、他院との連携に力を入れています。)
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■一般病棟
急性期病棟では入院してから検査・治療と並行して脳血管疾患リハ、運動器リハ、呼吸器疾患リハ、がんリハビリテーションを提供しています。機能回復促進、日常生活動作が安定して行える様に主治医との情報交換を密にし、入院当日からのリハビリテーション介入を目標にしています。また、安心して在宅もしくは施設へ帰れるよう病棟看護師、医療相談員とチームで連携しています。■療養病棟
医療度の高い方でリハビリが必要な方に対してリハビリを行っています。病棟と連携し、安心して療養できる環境や関わりをしています。ご自宅への退院や外出・外泊時の際の介助指導など、住み慣れた地域、家庭へ帰れるようお手伝いをしています。
とりわけ在宅でご利用可能なリハビリテーションサービスはセラピストが住宅に伺う訪問リハビリ、送迎を利用して通われる通所リハビリ(デイ・ケア)、通所介護(デイ・サービス)、ショートステイ(短期入所)を利用してのリハビリと多岐にわたっております。
在宅リハビリテーションセンター
多くのサービス事業所を持ち合わせている一方で、「どのサービスを利用したらよいか分かりづらい」といったお話をお聞きすることがあります。そこで豊生会では、在宅で利用可能なリハビリテーションサービスのご利用相談を総合的にお受けする窓口として『在宅リハビリテーションセンター』を開設しております。
在宅で利用可能なサービスに関することであれば、何なりとご相談いただける環境であります。
提供可能なサービスは、
訪問リハビリテーション(医療保険・介護保険)
通所リハビリテーション
(リハビリ中心短時間型、食事付短時間型、入浴付短時間型、1日型)
通所介護(セラピスト常駐デイ・サービス)
その他
まずは、何なりとご相談ください。
フリーダイヤル:0120-817-317
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飲み込みサポートセンター
最近嚥下障害という言葉をよく耳にする事があります。「加齢、病気などで食べたり飲みこんだりする事が難しくなった」など食事や嚥下機能に関する事相談を歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士と共同し幅広くお受けします。
連絡先(直通PHS):080-8628‐1100
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各施設との連携
●介護老人保健施設ひまわり
■ひまわりでは、入所、短期入所療養介護、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションのサービスを提供しており、その全てにリハビリスタッフが関わっています。
■これまでの生活スタイルをベースに、これからの生活に向けた生活動作練習、環境調整等を行い、ご自宅等で生活する、生活し続ける為の力をつけていきます。
■理学療法士2名、作業療法士7名、言語聴覚士1名、計10名(入所・通所)のリハビリスタッフが配置されており、専門的な評価を元に、お一人お一人の状態や目標に合わせたリハビリメニューを提供させて頂きます。
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●特別養護老人ホームひかりの
●デイサービスセンター きらら伏古
●デイサービスセンター パワフルひまわり
●デイサービスセンター ひまわり健康倶楽部
ロボットスーツHAL®について
医療・介護・福祉の現場でロボットに関するニュースを聞くことが多く、リハビリの現場でもロボットを使用したリハビリテーションを行なっている施設が多くなってきました。東苗穂病院リハビリテーション部では、サイバーダイン社のロボットスーツHALを道内で初めて導入し、リハビリテーションを行なっています。ロボットスーツHALとは、脚に障害を持つ方々や脚力が弱くなった高齢の方々の脚力・歩行機能をサポートし、歩くことの素晴らしさを取り戻していただくことを願って誕生した、画期的な自立動作支援ロボットです。 脳から筋肉に指令を出す際に生じる生体電位信号をセンサーで検出し、HALで検出された生体電位信号を解析し、信号に応じて筋肉が動くと同時にモーターを動かす仕組みです。
現在は、主に外来の患者様に対して使用しており、疾患は脳血管疾患や神経筋疾患の方に使用しています。効果については、疾患や病歴によって個人差はありますが、「姿勢がよくなり歩きやすくなった」、「立ち座りしやすくなった」などの声が聞かれています。当院では、今後も生活期の方を中心にHALを使用したリハビリテーションを行なっていき、HALを使用したことで改善された機能的な部分が日常生活でいかしていけるような関わりを続けて行きたいと考えています。
※『ROBOT SUIT』(ロボットスーツ)、『ROBOT SUIT HAL』(ロボットスーツHAL)、『HAL』(ハル)、『Hybrid Assistive Limb』は、おけるCYBERDYNE(株)の登録商標です。
リハビリ機器「MELTz」
「MELTz」は脳卒中等、神経の怪我や病気で麻痺を患った方に対する最新の手リハビリ機器です。特長は、「AI(人工知能)」を搭載した「ロボット」型の機器という点です。 昨今、至る所で耳にする「AI」ですが、最近流行りの生成系AIであるchatGPTで調べますと「コンピューターやマシンに人間の知能を模倣させる技術やシステムの総称」と言われているそうです。現在、幅広い分野で活用されるようになり、医療分野でも近年急速に医療機器等に導入され始めました。 「MELTz」は、開始前の装着と設定所要時間が10分程度と比較的簡単に可能です。練習では、患者さんにモニターを見てもらいながら、手を「グー」「パー」と動かしていただきます。その時、筋肉からの電気信号を拾ってMELTzロボットが運動を手伝ってくれるため、麻痺した手でも運動が行えるようになってきます。実は、手を動かそうとする時の筋肉の働き方は人によって違う為、そのままの電気信号ではロボットがうまく運動の手伝いをすることができません。MELTz「AI」は、患者さん特有の複数筋からの電気信号を「パターン」として運動の度に学習させるため、個々の患者さんに合ったロボットによる運動の援助が可能になります。 「MELTz」は、昨年末に発売された機器であり、全国にも限られた施設にしか導入されていません。北海道内では当院は「2番目」に導入した施設であり、札幌近郊では「初」の導入施設になりました。MELTzの効果は、回復期リハビリ病棟の患者さんでは明らかになっていません。しかし、当院では発症3か月程度の脳卒中患者さんにおいても、1回の使用でかなり良くなる方が複数おり患者さんからも好評です。このため、今後はリハビリ部内で「MELTzチーム」を立ち上げて日々のリハビリや学会発表等を積極的に行っていきたいと思います。
学会名 | 演題名 | 筆頭演者 | 年月日/開催地 |
第14回ニューロリハビリテーション学会学術集会 | 上肢協調運動課題と聴覚性ワーキングメモリ課題における二重課題干渉効果とfunctional Near-Infrared Spectroscopyを用いた神経基盤の検討 | 三浦拓 | 2023.04.08~
北九州市 |
第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会(JSPEN2023) | 地域在住高齢者における栄養状態とフレイルおよびサルコペニアの関連 | 秋山慶文 | 2023.05.09~
神戸市 |
第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会(JSPEN2023) | 当院回復期リハビリテーション病棟におけるBCAA強化補助食品摂取により筋肉量及びADLに与える影響について | 村杉冴香 | 2023.05.09~ 神戸市 |
第65回日本老年医学会学術集会 | 地域高齢者に対するリハビリテーション専門職の個別指導が体力測定結果に与える影響 | 遠藤祐紀 | 2023.06.16~ 横浜市 |
第68回日本透析医学会学術集会 | 血液透析患者における簡易的な身体機能評価を用いたSkeletal Muscle mass Index予測因子の検証 | 秋山慶文 | 2023.06.16~ 神戸市 |
第60回日本リハビリテーション医学会学術集会 | 回復期リハビリテーション病棟退院患者における退院後の機能的自立度の変化と健康関連QOLの関係性 | 荻原憂治 | 2023.06.29~ 福岡市 |
第29回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会 | 地域の摂食嚥下支援に特化した『飲み込みサポートセンター』の取り組みについて | 工藤慎也 | 2023.09.02~ 横浜市 |
第29回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会 | 本人の希望する「食」を支援する、訪問歯科とSTの活動 | 高橋晶子 | 2023.09.02~ 横浜市 |
第2回日本老年療法学会学術集会 | 地域在住高齢者におけるロコモティブシンドロームと健康関連Quality Of Lifeの関連 | 秋山慶文 | 2023.09.02~ 奄美市 |
第21回日本神経理学療法学会学術大会 | 運動課題と認知課題の二重課題干渉における神経活動と神経ネットワークの検討 | 三浦拓 | 2023.09.09~ 横浜市 |
リハビリテーション・ケア合同研究大会 広島2023 | COVID-19自粛期間中における都市部と地方在住高齢者の身体的フレイル及び社会的フレイルの地域差の検討 | 佐々木咲花 | 2023.10.26~ 広島市 |
第7回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会 | 地域高齢者の生活行動と栄養、筋肉量、握力の関連 | 坂田綾子 | 2023.11.03~ 宮崎市 |
第57回日本作業療法学会 | Smedley型握力計およびJamar型握力計の測定値の相違がサルコペニアの診断に与える影響 | 秋山慶文 | 2023.11.10~ 宜野湾市 |
第57回日本作業療法学会 | 当院回復期リハビリテーション病棟におけるサルコペニアの実態調査と関連因子の検討 | 村杉冴香 | 2023.11.10~ 宜野湾市 |
第57回日本作業療法学会 | コロナ禍における家族とリハビリスタッフの対面頻度減少への受け止め -リハビリスタッフへのアンケート調査からみえた世代別の特徴- | 村口英恵 | 2023.11.10~ 宜野湾市 |
第74回北海道理学療法士学術大会 | 脳卒中後遺者の体幹部への介入が起立動作に与える影響~AI動作解析によるパイロットスタディー~ | 坂元裕美 | 2023.11.11~ 恵庭市 |
第74回北海道理学療法士学術大会 | 脳卒中後遺者の体幹部への介入効果の検証~歩行動作のAI動作解析:パイロット研究~ | 山田祐輝 | 2023.11.11~ 恵庭市 |
第42回日本認知症学会学術集会 | 当院における院内デイケア活動参加前後の患者の生活変化に関する考察 | 坂田綾子 | 2023.11.24~ 奈良市 |
第10回日本地域理学療法学会学術大会 | 平取町での短期集中予防サービスの関わりと緊急事態宣言下でリモート支援が参加者に与えた影響 | 亀廼井佑太 | 2023.12.16~ 東京都八王子市 |
第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会(JSPEN2024) | 当院外来NSTにおけるリハビリテーションの役割について | 坂田綾子 | 2024.02.15~ 横浜市 |
回復期リハビリテーション病棟協会 第43回研究大会in熊本 | AI動作解析システムを用いて脳梗塞片麻痺患者の上肢機能評価を試みた一例 | 福地真梨奈 | 2024.03.08~ 熊本市 |
回復期リハビリテーション病棟協会 第43回研究大会in熊本 | 超高齢片麻痺患者のインシュリン自己注射手技獲得に向けた関わり | 大野真愛 | 2024.03.08~ 熊本市 |
第14回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会 | 外来血液透析患者のサルコペニア同定におけるPhase Angleの有用性およびcut-off値の検討 | 秋山慶文 | 2024.03.16~ 新潟市 |
■過去の学会参加情報はこちらから
認定理学療法士(脳卒中) | 4 |
認定理学療法士(呼吸) | 1 |
登録理学療法士 | 7 |
国際ボバース認定インストラクター | 1 |
協会指定管理者(初級) | 1 |
3学会合同呼吸療法認定士 | 2 |
腎臓リハビリテーション指導士 | 2 |
NST専門療法士 | 3 |
サルコペニア・フレイル指導士 | 1 |
地域包括ケア推進リーダー | 1 |
地域リハビリテーション指導者 | 1 |
介護支援専門員 | 11 |
がんリハビリテーション研修修了 | 14 |
社会福祉士 | 1 |
認知症ケア専門士 | 2 |
認知所ケア管理指導士 | 1 |
認知症ライフパートナー2級 | 1 |
ダイバージョナルセラピーワーカー | 2 |
訪問介護員2級養成研修課程(ホームヘルパー2級) | 1 |
福祉住環境コーディネーター2級 | 18 |
ふまねっとサポーター | 1 |
統計検定2級 | 2 |
精神科訪問看護研修修了 | 2 |
修士 | 2 |
①プリセプター制度
●先輩セラピストが新人セラピストにマンツーマンで、指導・教育・フォローを行います。指導を行う期間は1年程度となっています。
●プリセプター(指導者)の上にも、プリセプターの指導・教育・相談を行うスタッフを配置し、全体の進捗状況を確認しています。
②フォローアップ体制の充実
●配属されたチーム内でも、同職種・他職種に関わらず患者様を中心としたアプローチをする為に、常にフォローする体制を整えています。
③リハビリテーション部職員育成ラダー
●豊生会リハビリテーション部で作成したラダーを活用し、社会人、医療人、専門職としての基礎知識や法人内の様々な規定を段階的に身に付け、ステップアップできるように育成をしていきます。
〒007-0803 札幌市東区東苗穂3条1丁目2-18
TEL 011-784-1121(総合外来)